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高校生必見!最高の就職先に出会うために(2)

理想の就職先を見つけるためには企業研究が重要!

前回のコラムでは①高校卒新規就業者の約4割が3年以内に離職している②大学卒新規就業者の方よりも活き活きと働けていない③その結果、卒業後に入社した会社について、多くの学生が不満に感じている④実は高校卒向け求人倍率は大卒よりも高く、売り手市場であるということを説明しました。では、売り手市場で選択肢が豊富にあるはずの高卒採用において、なぜ多くの方が満足できる就業先を選べていないのでしょうか?今回はその原因を探るべく、高校生の就職活動方法について考えていきます。

高校生の就職活動のキホン:「一人一社制」とは?

皆さんは一人一社制という高校生の就職活動ルールをご存知でしょうか?一人一社制とは、学校を通して行う企業の採用選考で、就職活動解禁時に生徒が一度に応募できる企業を1社に限定する仕組みです。 各都道府県によって制度は異なりますが、内定が得られなかったり、一定期間が経過すれば複数社への応募が可能となります。また、原則として内定すれば必ず就職しなければなりません。

大学生の就職活動に比べ、制限が多いと感じるかもしれません。しかし、この制度には景気変動等により求人が少ない状況になった場合でも、多くの生徒に応募の機会を与えることが可能な仕組みであり、就職活動の長期化による高等学校教育への影響を与えてしまうことなく、短期間でのマッチングを実現しているというメリットがあります。

一人一社制は法令等に根拠のあるものではなく、古くから続く慣行として、高度経済成長期の頃から現代まで数十年も続いてきました。しかし、近年では文部科学省と厚生労働省が見直しを求める報告書をまとめており、大阪府では生徒の選択肢を広げることなどを目的として、複数社に応募できるようにする方針へと切り替わっています。近い将来、高校生の就職活動のありようは大きく変わるかもしれません。

高校生の就職活動のキホン:応募方法

次に、高校生が実際の企業に応募する方法について確認しましょう。高校生の就職活動において、企業へ応募する方法は複数あります。一番多いのが7月1日の求人票解禁日以降に、学校へ届くハローワーク所定の求人票から、行きたい会社を見つけて応募する方法です。この場合、一つの求人に人気が偏ることがないように、一般的には校内で先に「校内選抜」というものを行います。校内選抜は成績順に決められるものが多く、校内選抜に選ばれなければ、行きたい会社に応募することができないこともあります。

一方で、希望する求人票がない場合は希望する企業や業種に、新規の求人票を出してもらうことも可能です。さらに、生徒自身が直接企業に応募する自由応募というものもあります。ただし利用者はまだまだ少ないのが現状です。

高校生の就職活動のキホン:就職スケジュール

次に、学校を通して行う採用選考における、就職スケジュールを確認していきます。現在のコロナ禍による特殊な事情を除けば、就職スケジュールは下記の図の通りです。

7月に企業から学校へ求人票の送付が開始され、9月には選考が始まります。早ければすぐに内定が出て、就職活動は終了です。つまり高校生は7月の求人票が届いた段階から企業を調べ、自分のやりたいことと進みたい方向を考えなくてはいけません。その2ヶ月という短い時間をどのように使うかが重要です。

応募までの2ヶ月間が、重要な時期

高校生が満足いく企業に出会うためには、選考までの2ヶ月間の過ごし方がとても重要です。まずは下記図の左側、求人票や企業情報を調べたり、企業の担当者から説明を聞いた社数をみてください。

高校生の求人票の調査や企業研究の平均は2.2社、その内1社以下と回答した学生は67.2%に登ります。大学生の平均が16.1社ということと比較すれば、いかに高校生が企業を比較していないかがわかります。

次に、企業や求人票を調べた数と入社した会社で受けたリアリティショックの比較を見てみましょう。リアリティショックとは、入社前の理想と入社後の現実とのギャップに悩むこと、すなわち理想と現実とのミスマッチのことを指す言葉です。

結果は一目瞭然です。2社以上の企業や求人票を調べ、比較した上で就職先を選んだ学生に比べ、1社以下の学生は人・仕事内容・待遇全ての項目で理想よりも現実に悪いギャップを感じています。この1社以下しか調べていない学生が全体の67.5%もいることを考えれば、なぜ高校生の離職率が高いのか、最初の就職先に対して満足度が低いのかがわかるはずです。

つまり学生のみなさんが満足いく就職先に出会うためには、一人一社制という限られた環境の中で、自分のやりたいこと、楽しく働ける環境を見つけるために、複数の企業を調べ、比較した上で会社選びをするということが重要なのです。

しかし、多くの学生からすれば、2ヶ月という短い期間で企業研究を行うことは大変だと感じるはずです。そこで次回は部活や学業、友人との貴重な時間の合間に、効率よく企業を知る方法について解説します。

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