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高校生必見!最高の就職先に出会うために(1)

高校卒業就職希望者が充実したキャリアを送るために知るべきこと

就職を控えた皆さんはどんなことを考えていますか?働くということが漠然としていてわからない。自分を受け入れてくれる企業があるのか心配。ブラックな企業で働きたくない。楽しい高校生活の時間を削ってまで就職活動をするのは面倒。そんな様々な思いを抱えているはずです。

こうした様々な悩み・苦しみを乗り越え、毎年多くの学生が社会に羽ばたいています。文部科学省発表の学校基本調査によると、高校卒新規就業者数は毎年約20万人前後で推移しており、たくさんの先輩が社会に出て活躍していることがわかります。しかし、先輩の多くが、学生と企業間とのミスマッチに悩み、充実した社会人生活を送れていないという実態をご存知でしょうか?

入社した企業の実態が想像したものと違い、企業をすぐに辞めてしまった結果、人生に大きな影を落としてしまう人が多くいます。このような就職におけるミスマッチは大変多いのです。そこで、実際のデータを見ながら就職活動の現実や問題点を詳しく解説していきます。

新規学卒就職者の離職状況

「若者の3年以内の離職率が高い」という話を聞いたことがあるでしょうか?厚生労働省発表「新規学卒就職者の在職期間別離職率の推移」によると、高校卒業後に新規就業した方の3年以内離職率は2017年で39.2%、約4割もの人が3年以内に離職しています。

それに対し、大学卒業後に新規就業した方の3年以内離職率は32.8%と、高校卒業後に新規就業した方よりも1割程度低い離職率となっています。この離職率は2010年ごろからほぼ変わっておらず、長年にわたり多くの若者が、入社した会社を早期で離職しています。

高校を卒業して最初に入社した会社に対する評価はとても低い

早期離職率の高さを解決するために、企業は労働時間の短縮、人材管理方法の変更、福利厚生の充実など、働き方改革を進めて来ました。それでも長年にわたり3年以内に離職した方の割合が変わらないのはなぜでしょうか?そのヒントとなる調査結果がリクルートワークス研究所より発表されています。

この円グラフは高校卒就職者を対象に、就職1年目で働いていた会社・組織に就職・転職することを、親しい友人や家族にどの程度すすめたいと思いましたか?というアンケート結果をまとめたものです。点数が高いほど他者に勧めたいということになります。結果は4人に1人(24.1%)が卒業後に入社した会社について、10点満点中「0点」と評価しています。この調査から高校を卒業し、就職した方の多くが入社した会社に満足していないことがわかります。

また、同リクルートワークス研究所が発表している大卒・高卒別「活き活きと働いている」就業者の割合調査(下図参照)を見てみると、高校卒就業者の方のアンケート結果は大卒の方に比べ全項目で10%以上低く、「仕事は自分に活力を与えてくれる」など一部の項目では15%以上の大きな開きがあります。この調査から、全体的に高校卒就業者で活き活きと働けている方の割合が低いことがわかります。

この2つの調査から、高校卒業後のファーストキャリアへの満足度が低く、それが早期離職につながっていることがわかります。同調査では高校卒業後に20代後半まで初めての仕事を続けている方の割合も調査していますが、6割の方が離職していることがわかっています。もちろんキャリアップを目的とした転職など、マイナスな理由の離職ばかりではないはずです。しかし、社会人になり最初の会社への不満を持っている方が一定数いることは事実であり、決して目を背けられる問題ではありません。高校卒新規就業者の方々が自分の仕事に満足し、長く働き続けるためにはどうすればいいのでしょうか?

「高校卒業者は大学卒業者より仕事がない」というのは間違い

最初に思いつくのは、大卒を対象とした求人よりも高卒を募集する求人が少ないのではないか?ということです。そもそも求人数が少ないため、就職できる企業の選択肢が狭まり、結果として不満足な就職先に入社してしまっていると考えることができます。

しかし、これは正解とは言えません。厚生労働省によると令和2年度、高校新卒者の求人倍率は2.08倍であり、実は大学新卒者を対象とした求人倍率よりも高い数値なのです。求人倍率から考えれば、高校新卒者の方が大学新卒者よりも、仕事を選べる売り手市場だということがわかります。では企業の採用意欲も高い高卒市場において、なぜ満足いくキャリアを歩めないのでしょうか。その問題は高校卒就業者の就職活動に原因があると考えられます。

次のコラムではこの高校卒就職者の就職活動の仕組みから、どうすれば満足いく就職先を見つけられるのかを考えていきます。これから就職活動を迎える学生は自身の就職活動前にぜひ目を通して見てください。きっとあなたの将来をより豊かにするきっかけが見つかると思います。

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