山陰設備工業 株式会社

島根県 出雲市

働き方改革を進め、若手からベテランまで働きやすい職場に

代表取締役 原 真士さん

長年にわたりダクト製造に携わってきた山陰設備工業。今回はその3代目、原真士さんにお話を伺います。社長就任以来、様々な改革を行い着実に会社を成長させてきた原さん。そんな原さんが次に見据えるのは、社員も家族もみんなが幸せに暮らせる会社づくりでした。その想い、新たな挑戦について詳しく教えてもらいます。


 

―はじめに山陰設備工業の業務内容を教えてください。

当社は空調・換気・排煙設備を行うダクトの設計、製造、施工までを一貫して行なっています。ダクトは建物内外の空気循環を行い、綺麗な空気を送るために必要なインフラ設備です。島根県内の市役所、ショッピングモール、大手傘下の工場など、身近な建物の空調設備にも、私たちの技術が活躍しています。最近では新型コロナウィルスの影響もあり、空調設備に関わるこの仕事への注目度が高まっています。

―私たちの快適な暮らしを、山陰設備工業が支えているんですね。会社の歴史を教えてください。

山陰設備工業の歴史は、前身である原工作所が設立された1969年から始まります。県内では最も古くからダクト製造を行っている会社です。創業者は祖父で、私で3代目になります。当社の強みは長年築き上げた信頼と、設計から製造、施工までの全てを一貫して行えることです。

同業他社で同じように製造工場を抱え、施工まで行っている会社は山陰にも数社しかありません。おかげ様で、大きな工事にも数多く関わっています。



―創業50周年の老舗企業なんですね。社長に就任される前は何をされていたんですか?

将来会社を継ぐことを前提に、地元の出雲工業高校を卒業後、兵庫の専門学校で建設の勉強をしていました。その後はダクト以外にも電気や配管といった設備工事全般を行う上場企業に入社し、東京で11年間働いていました。山陰設備工業には9年前に専務として戻り、2015年から代表取締役を務めています。

―社長に就任してからどんなことに取り組まれたんですか?

会社体制の健全化と業務効率を向上させるために、5ヶ年の経営力向上計画を国に提出し、県のサポートを受けながら様々な改革に取り組みました。ちょうど5年が経過しましたが、社長就任時と比べて生産能力は5倍以上になり、以前よりも仕事の数と規模が向上しています。

島根県東部と鳥取県西部のみだった施工対象地域も、中国地方全般に拡大していますし、役所や病院、ショッピングモールといった大きな施設の案件も増えています。

会社をもう一段階上に成長させたんですね。

さらに最近では、DX化(デジタルトランスフォーメーション)も進めています。現場への直行直帰を実現するために、社員一人ひとりに貸与しているスマートフォンで勤務記録ができるようにしたり、業務連絡はチャット機能を使うようにしました。ハード面でも設備投資を積極的に行っており、ダクト製造の機械による自動化(オートメーション化)や、設備のIT化、IoT化など時代の流れに沿った経営を進めています。

スマホ活用や自動化によって大幅に業務効率が向上していそうですね。制度面での取り組みは何かありますか?

制度面でいえば、若い人材が長く働いてもらえるように働き方改革を進めています。建設業は土日祝日も働き、長時間労働が当たり前という悪いイメージがありました。そこで、その印象を変えるために週休2日制の導入、年間10日以上の有休消化の徹底、業務効率化による残業時間の削減に取り組んでいます。

また、女性が活躍できる環境を少しずつ整えています。実は、この業界を志望する女性が少しずつ増えていて、土木業、建設業、それぞれに従事する女性を指す「ドボジョ」「けんせつ小町」なんて言葉も生まれているくらいです。そこで、女性が快適に過ごすために休憩スペースの設置や、女性社員専用ロッカー室を作りました。その取り組みが評価され、島根県から「しまね女性の活躍応援企業」にも認定されています。

このように、当社では国連の掲げる SDGs(持続可能な開発目標)にもとづいた、働き方改革や女性の活躍推進を積極的に進め、性別や年齢に関係なく、従業員みんなが活躍できるような社会の実現に貢献しています。

―社員の満足度も高そうですね。若手社員は多いですか?

当社には20代から60代まで幅広い年齢の社員がいますが、その内20代と30代合わせて10名程度が在籍しています。少人数の会社なので、年齢差関係なく和気あいあいとした雰囲気です。現在は新型コロナウィルスの影響で行なっていませんが、それ以前は会社でバーベキューをしたり、忘年会や、慰労の温泉旅行などを開催していました。



―仲が良いいんですね。新入社員はどんな仕事をしますか?

できることから少しずつ取り組んでもらいます。当社は工場での製造から現場作業まで、職種ごとに向き不向きがあるので、配属元は仕事の様子や一人ひとりの適性、希望を元に決めます。一人前になるまでは先輩社員が丁寧に仕事を教えるので、素直でやる気がある人ならばしっかりと成長できる環境です。

―それぞれの職種はどんな方が向いているんですか?

コミュニケーションを取りたい、毎日違う仕事がしたいという方は現場が向いています。逆に集中力の高い人、一つのことにこだわって仕事をしたい人は製造向きです。設計は図面通りに作らなくてはいけないので、図面から出来上がりを頭の中で想像できる立体的思考が必要です。

―働くのに必要な資格はありますか?

当社では1級建築板金技能士という国家資格の取得を推奨しています。この資格は10年の実務経験が必要ですが、受験資格を得たらすぐに合格できるように、新入社員の頃から定期的に勉強会などを開催しサポートしています。

それ以外にも登録ダクト基幹技能者、施工現場全体の管理、監督を行なう人が取得する1級管工事施工管理技士といった資格があり、キャリアアップと並行して取得を推奨しています。有資格者は給与面の差も出るので、みんな高いモチベーションで勉強に勤しんでいます。

―頑張った分、給料が増えるのは嬉しいですね。仕事の魅力を教えてください。

誰もが知っている建築物に関わることができ、成果物が地図に残るという他の仕事にはない魅力があります。実際の仕事面では頭を使い、自分なりに工夫をしながら働くことで、技術が洗練され業務効率が上がるので、成長を実感しやすい仕事だと思います。

―最後に、今後のビジョンを教えてください。

建設業界のイメージを刷新したいと考えています。今までの建設業界はきつい、きたない、危険の頭文字をとった「3K」の仕事と言われていました。この悪いイメージを変えるために、給料が高い、休日もしっかり取れる、そして希望があるという「新3K」を掲げ、その実現に向けて挑戦を続けていきます。

―業界のイメージ刷新に挑むんですね。

そうです。さらに仕事環境の整備や作業場の安全性、衛生面の向上以外にも、豊かな人生を送るためのサポートもしています。一つは今の生活を充実させるためのサポートです。当社では同業でも高水準の給与を社員に支給しています。将来的には職人に1000万円以上支給できるようにしたいです。また、社員が加入している社会保険の役割、どんなときに役立つのかを学ぶための勉強会を社会保険労務士の元、開催しています。

もう一つは未来の生活を豊かにするためのサポートです。退職金をちゃんと用意し、老後に年金と退職金で生活できるようにしています。老後の余裕資金を作るために、資産運用のアドバイスも行なっています。

こうした総合的なサポートを通して、社員とその家族みんなが幸せな生活を送れる会社にしていきます。そしてより多くの方に山陰設備工業で働いて良かったと思ってもらえれば嬉しいです。これからも「新3K」を実現するためにどんどん新しいことにチャレンジしていくので、一緒に会社の未来を作りたいと感じてくれた方々からの応募を心待ちにしています。

自分に合った分野を見つけて、楽しく働けるように

仕事も休日も楽しめる社会人生活を!