加登脇建設グループ

鳥取県 東伯郡

無限大のプロセスから、ベストな解体方法を考える

トーハク解体有限会社/工事部部長/入社15年目 前田さん

お話を聞いたのは入社して12年(取材当時)の前田さん。現場の統括業務を担い、常にお客様目線の仕事を行なっています。働く仲間のケアも欠かさない前田さん。日々社員の様子を見ながら、みんなが働きやすいように気配りを欠かしません。トーハク解体がより良い会社になるために、皆の思いを一つ束ねる前田さんはみんなの頼れる兄貴分です。


 

―前田さんがトーハク解体でどんなお仕事をされているのか教えてください?

私は解体現場で作業をしながら、作業人員の調整や機械の手配を担当しています。当社では現場で作業する班が全部で3つあり、1班3人程度で構成しています。その3班がどこの現場で、どのような解体工事をするのか、現場ごとに解体資材搬出に用いるトラックのサイズや、どんな機械が必要なのかを考え、班ごとに調整して采配するのが仕事です。そのほかにも道具や機械のメンテナンス、修理が必要なのかといった情報を管理するのも私の仕事です。

―統括的なお仕事をされてるんですね。前田さんはなぜトーハク解体に入社したんですか?

前職では建築会社に所属し、現場監督をしていました。新しい建物を建てる建築の仕事はとても面白かったんですが、建築の知識・経験を活かして別の仕事をしてみたいという気持ちがあったんです。そこで解体業に目をつけました。解体工事のお客さんは、建築会社と同じ工務店や大工さんですから、ここならば自分が今まで培った能力を活かして働けるのではないかと思い入社しました。

―確かに解体と建築のお仕事は共通点が多いですね。

でも思ったよりギャップはありましたね。現場監督は全体を把握し、スケジュールに滞りがないように仕事をするのに対し、解体の仕事は専門的な目線や知識が求められます。解体場所によってどんな道具が最適なのか、細かな一つ一つの作業にもこだわりながら行いますので、180度とは言いませんが、だいぶ違う目線を持って仕事をしています。



―現場監督は現場全体に関わるゼネラリスト、解体の仕事は専門性が求められるスペシャリストなんですね。前職の経験はどんなところで活きていますか?

現場では数多くの業者が出入りします。そのため手際よく工事を進めるためには業者間の連携が必要です。私は前職で現場のやりとりの仕方や、よく起きる問題などを経験していたので、そうした経験は今の仕事でも役立っています。

―次に、前田さんがどんな目標を持って仕事に取り組んでいるか教えてください。

お客さんのイメージとは違う、ストレスのかからない解体を目指しています。解体工事と聞くと多くの方が、機械やハンマーなどを使って、埃まみれ、大きな騒音・振動を出しながら作業しているイメージを持たれています。中には壊さなくていいところまで解体工事で壊されてしまったなんて悪いイメージを持たれてる方もいらっしゃいます。

しかし、近年は技術の進化により、そうした過去の解体工事のイメージとは違った作業が可能になりました。例えば道具ひとつ取ってもそうです。音を極力出さないもの、振動を抑えたものなど、以前よりもお客様に迷惑のかからない解体工事が可能なんです。



―解体工事も進化しているんですね!

現場に合わせてオリジナルの道具も作成しています。例えばホテルや病院の場合、極力ホコリを抑えて作業してほしいという要望をいただきます。しかし、解体を行なった廃材をトラックまで持っていく際には、どうしても空調の送風でホコリが舞ってしまいます。そこでお客様の求めるホコリの立たない工事を実現するために、自分たちで考え、オリジナルの道具を作成しました。

―どんな道具を作成されたんですか?

台車を買ってきて、その上にベニヤ板で蓋つきの箱を作成しました。この箱の中に廃材を入れ、蓋を締めることで密閉し、ホコリの舞い上がりを防いだんです。お客さんの要望に耳を傾け、いかにストレスがかからないようにできるのか工夫しています。

―常にお客様目線で仕事をされてるんですね。

私の場合、常に自分がお客さんだったらどう感じるか考えてます。手間のかかる工事だとどうしても妥協したくなる時があるんです。そんな時は自分がお客さんだったらがっかりするだろうなと思い、全力で仕事に取り組みます。そうした一手間をかけることで、お客様の印象も施工後の出来上がりもかなり変わるんです。自分の考えた方法で工事を行い、それを直接お客さんから褒めていただけた時には達成感があります。

―お客様の要望にどうやって応えるのか、どんな道具を使うのか、考えることも多そうですね。

解体の仕事は、建物を壊すというゴールに向かって、何通りもの方法があります。技術も日々進化していますので、お客様の要望に応えるために、いろんなことを調べたり、講習会に行ってスキルを学んだりしています。時には何百もの道具が掲載されたカタログを引っ張り出してきて、使える道具があるか見たり…考える機会は多いですね。でもそうやってお客様のことを考えている時間がなんだかんだ楽しいんです。勉強すればするほど、自分の成長も感じられるのでやりがいがあります。



―他の社員の方々も色々考えながら作業されてるんですか?

そうですね。私の場合、作業員さんそれぞれに合ったやり方があると考えているので、自分の考えを押し付けないように気をつけています。作業員さんと一緒に現場を見て、「こういう道具作ったらいいんじゃないか」「これを作るにはどうしたらいいか」みんなの意見を尊重しながら一緒になってアイディアを出しています。

―和気藹々としてるんですね。では職場の雰囲気も良いんですか?

雰囲気はいいですよ。当社は30代後半から40代が多いですが、気持ちはみんな30代前半です(笑)だから若い社員とも冗談を言い合いながら仲良くやってます。意外にそうした会話の中で仕事のヒントやひらめきを得られるんですよね。

―コミュニケーションを取る時に心がけていることはありますか?

日頃は一緒に働く仲間の顔を見るようにしています。顔を見ていると今困っているのか、悩んでいることがあるかわかるんです。昔、悩みを抱えて辞めてしまった人がいて、その時にもっと声をかけて入ればと後悔したことがありました。ですから、なるべく話をしたり、様子を伺うようにしています。

―そうした心遣いは嬉しいですよね。最後に、前田さんの今後の目標を教えてください。

トーハク解体をより良い会社にしたいと考えています。そのためにはみんなが思いを共有することが大切だと思うんです。会社は職種によって立場が違い、経営陣の思い、事務の方の思い、現場の考え、それぞれ違います。そこの溝を埋めるような、みんなの思いを繋げる橋渡し的な存在を目指しています。

目に見えない価値を理解してもらう