「MACHI TERASU」では若者目線の企業紹介記事を作成するために、島根県内の大学に通う現役大学生に学生ライターとして参加してもらいました。彼らの多くは就職活動を終え、すでに内定先の企業が決まっていたり、地域での活動に積極的に参加するような学生たちです。しかし、そんな彼らでさえ県内企業を知らないことが多く、改めて学生と企業との接点が少ないのではないかと感じました。
今回のように学生自身が、企業に取材をするのは、双方にとって珍しく貴重な体験のはずです。その学生たちが取材を通して、どんなことを思い、 何を感じたのか。取材を終えた学生たちに、実際に取材をしてみた感想や県内企業の魅力、働くことについて本音で語り合ってもらいました。
参加者(写真左から):
島根大学法文学部 4 年さん 清水穂花(※仮名:出身/兵庫県)
島根大学総合理工学部 4 年 小野 莉佳(出身/島根県立松江北高等学校)
島根大学教育学部 3 年生 栗原 祐也(出身/広島県立神辺旭高等学校)
島根大学総合理工学部 4 年生 出雲 寛人(出身/米子松蔭高等学校)
島根県立大学総合政策学部 4 年 原 大地(出身/島根県立平田高等学校)
※所属大学、学年は令和元年12月時点のものです。
―今回の取材で感じたこと
清水:取材してみて、島根の経営者の方は 新しいことにどんどん挑戦しようとしていたり、若者はもっと自由にした方がいい、一度は都会でチャレンジしてみるのも面白いんじゃないかって、想像以上にすごく柔軟な考えの方が多くてビックリした!
栗原:そうだね。経営者の方々を取材してみて、それぞれの企業には歴史や素敵なルーツがあったし、そこで働く人たちは皆さん熱い想いを持って仕事に取り組んでいることがわかってとても面白かったよ。
出雲:話を聞いてみてわかることがたくさんあったよね。僕は取材先の業種をみて、話を聞く前に勝手なイメージを決めつけてしまっていたんだけど、実際に取材してみると想像よりも色んなことをしていて、印象が全然違うことが多かったね。
中には若手社員でも積極的にチャレンジさせてくれる企業も多くて驚いた。企業の本当の姿を知るためには、イメージだけで判断してはダメで、詳しく話を聞く必要があるなって感じたね。
栗原:あとは、経営者の方の多くは“人”を大切にされているなと感じた。お客さんだけじゃなく社員や地域のことも考えている方がとても多い。企業説明会に行ったこともあるんだけど、そこで受けた印象とは真逆だったな。
そういった想いを知れば知るほど、県内の企業がどんどん魅力的になると思うんだけどね。
―「はたらく」を考える
清水:みんな実際いつ頃から“働くこと”について考えた?
原:働くことってなかなか考える機会がないよね。大学に入学した後も特に何も考えず惰性のままで過ごしてた。就職活動の時期になっても、周りがやってるからやろう、その程度の感覚だったな。
出雲:僕は働くことよりは、将来どんな風に生きたいかって考えてた。いろんな人の本を読み漁って、さまざまな生き方を学んだり憧れていたりしていたね。その中で、人に驚かれるようなユニークな生き方がしたいなって漠然と思うようになって、少しずつ将来のことを考えるようになったかな。
原:働き方と生き方ってどっちが大切だと思う?
小野:私は結構きっぱりしていて、生きていくためには働かなくちゃいけない。だから、働き方や生き方についてはあまり重要視していないね。生きるためにただ働くっていう考え。きっと学生の中には私と同じような考え方の人も多いんじゃないかな。
清水:私は高校生の頃からやりたいことが決まっていて、その目標に向かっていろんな勉強や活動をしてた。今考えると早くから目標があったおかげで、何事にも目的を持って取り組めたんだと思う。
だから就職 活動直前で急に将来について考えなきゃって思っても難しかっただろうなって。もし夢があるなら、早くから考えて行動した方が叶う可能性が高いんじゃないかな。
出雲:夢を見つけるきっかけは何だったの?
清水:夢っていうと大きな話に聞こえるかもしれないけど、私は高校生の時に所属していた部活動が楽しくて、そこから将来その仕事に就きたいなって思うようになったよ。身近なところにも将来に繋がるきっかけってあると思う。
原:僕は、逆に夢を諦めたことがある。高校の時には整体師になりたいって思っていたんだけど、資格や学費のこととかで諦めて。でも今の大学に入って、将来就職しなくちゃいけないことはわかっていたから、 何かやりたいことを見つけようってずっと考えてたね。
だから大学の内外で色んな活 動に参加して、少しでも視野を広げようと思った。経験から学ぶことって本当に多くて、選択肢が広がったね。今やりたいことがなくても、何か面白いことないかなって アンテナを張っておくことは良いことだと思うな。
小野:私の場合は、就職先と大学で専攻していた分野がたまたま同じだけど、特に学生生活で何にも考えてなかったな。ただ一 つだけ決めてたのは、「やりたくないことはやらない」ってことだね。これはやりたくないな、これならやってもいいかなって一つずつ考えていったの。将来やりたいことがなかったら、やりたくないことを考えて選択肢を絞って行くのもアリじゃないかな。
栗原:僕は教育学部で、周りは教師を目指す人が多いんだけど、教師になる人ほど、社会や様々な仕事のことを知っておく必要があるなって思った。先生は生徒から就職相談を受ける一番身近な存在。その先生が様々な仕事の知識を持って、働くことについても生徒に様々な可能性を示してあげられる、そんな存在になれれば、みんな満足した就職先に出会えるようになるんじゃないかな。
あと、僕自身こういう生き方をしたいなっていうのはあるけど、じゃあ実際に社会に出て働く時に、目指す生き方と仕事をすること、この2つをどう結びつけるかが難しいなと思う。だからなるべく早くから働くことについては考えた方がいいのかなと思うよね。
清水:でも、学生のうちから「未来を考えよう」「やりたいことを考えよう」とか言われてもすごく難しいことだと思う。「働く」ってあまり深く考えて悩んでしまうよりも、いろんなことを楽しんでやってみて、自然の成り行きの中でやりたいこと、自分なりの働き方って出来上がっていくものかもしれないね。
編集者のヒトコト
正直「働くこと」について考えるのは面倒臭いし、楽しくないですよね。だから、今回取材に行ってくれた 学生メンバーが言う通り、まずは自分が面白そうだなと思う感覚と、「やってみる」ことを大切にしてください。 勉強や部活動を頑張るでも、行きたいところに旅行してみるでも、何でもいいんです。「やってみる」を繰返していけば、楽しいなとか、つまらないなとか、少しずつ経験や感情が積み上がってきます。そういった感情を大切に覚えておけば、自分にあった「はたらく」を選べるんじゃないかなと思います。この島根の企業を紹介する冊子「MACHI TERASU」が、皆さんの「はたらく」を考えるきっかけになれば良いなと思います。