お話を聞いた宮田さんは都会での就職を経験後、島根にUターンされてきた方です。現在は石見銀山生活文化研究所の群言堂事業部、販売促進部でグラフィックデザインを担当しています。今の仕事環境に感謝しているという宮田さんに、職場の魅力を聞いていきます。
―宮田さんの仕事内容を教えてもらえますか?
僕は販売促進部に所属しています。いわゆるグラフィックデザインの分野で主に紙媒体が中心に広報物を作成しています。
―どんなものを作られているんですか?
今は主要事業であるアパレル部門「群言堂」の服を紹介する、シーズンブックを作っています。それ以外にも読み物や、販促用のポップ、DMなど、作成しているものは多岐にわたります。制作物によっては、社内を飛び越えて外部の人と一緒に仕事するときもあるんです。
―外部の方と仕事もされるんですね。宮田さんは元々デザインの仕事をされていたんですか?
大学進学を機に県外に出て、新卒で広告代理店に入社し、デザインの仕事をしていました。でも仕事面のギャップや人間関係でうまくいかなくて、1年半くらいで挫折を経験し、地元の浜田市にUターンしたんです。
その時は自分のデザインに自信を失っていたので違う仕事をしようと思い、地元の商工会議所で事務の仕事を3年半やっていました。でもデザインの仕事がしたいという気持ちが捨てきれず、この会社がデザインの仕事を募集しているのを知り、入社しました。
―デザインから一度離れていたんですね。ここでの仕事は充実していますか?
入社してからは5年経ちますが、すごく充実した毎日を過ごしています。デザインの仕事で外部とチームを組むと、普通は出会えないような一流の方々と一緒に働けるので、学ぶことがすごい多いです。
自分は挫折してデザインから離れてしまっていた時間があった分、こうやって勉強させてもらえることにすごく幸せを感じています。この仕事はお客さんも含めていろんな人とお話ししますが、みなさん様々な経験をされていて、とても魅力的です。
―県内の枠を超えて、いろいろな方と出会えるのは魅力的ですね。人との出会い以外にも魅力はありますか?
やはり大森という、恵まれた環境でものづくりができることが魅力的です。ここの景色は田舎の中でもかなり美しいと思います。デザインの関係で写真を撮るんですが、少し周りを歩くだけでも新たな発見がたくさんあるんです。だから写真を1枚撮るだけでもすごく楽しいですし、飽きは全く来ないですね。
―大森の自然の美しさはすごいですよね。最後に若い人たちメッセージをお願いします。
高校生だと、いい大学に入って、いい仕事に就いて、そういう将来像を描いている人が多いと思うんです。そうするとどうしても都会に目を向けがちだと思います。でも島根にもいろんな経験を積めて、認知度もあるような会社があるっていうことも知ってほしいです。
僕は都会にいた時って気を張り続けて心が休まらず、日々辛かった思い出が多いです。でもここはちょっと外に出るだけで澄んだ空気が吸えて、緑を目にするだけで落ち着いたりするんですよね。これだけの自然に囲まれながら、面白い仕事ができる環境はなかなかないと思います。
だからみなさんも一度、地元とか島根の企業で働くよさについて考えてほしいなと思います。興味をもって調べ、それでも都会を選ぶのと、何も考えずただただ都会に出て行くのでは過ごし方も感じ方も全く違うと思います。自分の選択に将来後悔してしまわないように、できることには積極的に取り組んでほしいです。