株式会社 石見銀山生活文化研究所

島根県 大田市

ものづくりの醍醐味

企画部デザイナー 柳澤さん

お話を聞いた柳澤さんは、群言堂が展開するアパレルブランドの1つ、「根々」の企画、デザイナーを担当しています。群言堂のものづくりへのこだわり、お客様とのエピソードなどを聞いていきます。


 

―現在の仕事内容を教えてください。

私は群言堂が運営するアパレルブランドの一つ、「根々」の洋服の企画、デザインをしています。入社したのは23年前で、ちょうど群言堂が立ち上がったばかりの頃です。群言動は洋服のイメージが強いと思いますが、立ち上げ当初は洋服ではなく、エプロンや巾着の製作・販売がメインだったんですよ。

―知りませんでした!入社当時からデザイナーとして活躍されていたんですか?

いいえ。前職は花屋さんで、アパレルの仕事は未経験でした。ですから入社後はデザイナーではなく、小物の販売や当時本店に併設していたカフェの手伝いなどをしていたんです。そんな一販売員として過ごす中で、会長からの一言がきっかけにデザイナーの道を進むことになります。

―会長からどんな言葉をかけられたんですか?

当時販売員の服装は商品のエプロンを着用する以外、自由だったんです。だからエプロンの下は自分の好きな服を着て店頭に立っていたんですが、ある時私の着ている洋服を会長が見て「あなたのお洋服が面白いからデザインやってみないか」って言われたんです。もともと洋服が好きだったのでデザインに興味はあったんですが、いきなりだったので驚きましたね(笑)

そこから企画部に異動して、まずはワッペンの企画をしました。その後1つのブランドの立ち上げを経て、「根々」の立ち上げをすることになります。

―珍しい経緯ですね!柳澤さんがデザインを担当している「根々」ブランドについて教えてください。

私が洋服のデザインを担当している「根々」は今年で12年目になります。コンセプトは「根のある暮らし」です。これはこの地域で暮らして、働いて、当たり前の日常を過ごす中で初めて気づくこと、私たちの心が動いた出来事、それを盛り込んだ洋服を作るというものです。

―可愛らしいデザインの洋服も多いですよね。デザインはどうやって決めるんですか?

洋服を作るときにはシーズン毎にみんなでテーマを決めています。今年の春でしたら箸間(はしま)がテーマでした。この地域では食事と食事の間のことを箸間(箸の間)っていうんですね。だから間食で食べるおやつをイメージした柄の洋服を製作しました。今年の春夏でしたら川遊びっていうテーマで、川に住んでいる生物や草花をモチーフに入れ込んだりしています。

―企画をしていく中で、やりがいや楽しさはありしますか?

自分たちが0から考えて作るので、展示会で販売員やバイヤーさんからも反応が良かった時はそれまでの努力が報われる気がして嬉しいです。あとはお客様からいただく手紙が励みになってます。

群言堂はお客様からお礼のお手紙をいただくことが多いんですが、「素材が気持ちよくてずっと着てます」とか、「長く着ていて少しくたびれてしまったけど、まだ着たいのでお手入れ方法を教えて欲しい」とか、そういうご連絡を頂くと嬉しいです。中には10年前に手がけたバックの修理の依頼もあるんです。お客様に愛され、長く使ってもらえるものづくりができるのは嬉しいですよね。

―10年後間も使ってくれるなんて、作り手にとってすごく嬉しい言葉ですね!職場どんな雰囲気ですか?

会社はすごく自由で、みんなやりたいことをやらせてもらってます。また、全体的にゆっくりとした雰囲気なので、自分のペースで働けるのも魅力の一つです。

―自由だからこそいろいろなアイディアも出るんですね。最後にどんな人が向いているか教えてください。

新人の方が入った時は、研修もありますが、基本は先輩の動きを見て覚えるというスタンスです。教わるよりもまずは自分で見て、何が大切なのかを気づいてもらうんです。失敗することももちろんありますが、全部丁寧に教わるよりも、自分で行動し成功も失敗も経験した方が身になることが多いと思います。まずはやってみるってということを大切にしているので、好奇心旺盛で、チャレンジが好きな方は楽しんで働ける職場です。

美しいまちで、働くこと