永瀬石油 株式会社

鳥取県 米子市

山陰の生活を支ええる、誇りを持てる仕事

取締役管理本部長 藤原忠治さん

永瀬石油は山陰でも有数の歴史を持つ企業です。古くから地域の頼れる味方として人々の暮らしを支えてきました。そんな永瀬石油はどんな仕事をしているか、どんな未来へと向かっていくのか、取締役管理本部長の藤原さんにお聞きしました。


 

―永瀬石油はとても歴史が長い企業ですよね。創業から石油関連事業を営んでいるんですか?

永瀬石油は1909年、明治42年の4月に創業しております。今年で創立110年を迎えました。本社を構える鳥取県では最も古くからある石油関連会社です。

実は、創業当時は和ろうそく作って販売していました。その後、西洋から質の良い洋ろうそくへ、そして各家庭では石油ランプへと変わりつつある中いち早くランプ用の灯油の取り扱いを始めました。その仕入れ先が今の昭和シェルの発端となる「ライジング石油」という英国籍会社でした。現在は出光昭和シェル石油の特約店として石油関連事業を営んでいます。今後も創業150年、200年を目指して頑張っております。

―110年も会社が続いているのはすごいですね!

エネルギーとカーオアシスで地域社会に奉仕することを社是とし、顧客第一主義を一生懸命貫き続けた社員と、地域社会の方に育てて頂きました。感謝です。

―「人」を大切にしているからこその歴史なんですね。現在の事業内容を教えていただけますか?

まず石油部門では、私たちはサービスショップと呼んでいる直営のガソリンスタンドを鳥取、島根合わせまして20か所運営しています。それぞれの店舗は鳥取市内に5店舗、米子市内に5店舗、松江市内に5店舗、境港に1店舗、出雲地区に3店舗、益田地区に1店舗あります。

鳥取市から島根の益田まで国道9号線上、又は交通の要所に設置し、それぞれの店舗をサービスネットワークでつなげております。

産業エネルギー部門では航空機燃料の供給も行っています。鳥取空港ANAや、出雲空港JALなどジェット旅客機のJET燃料の給油サービスを行っています。又、県警防災ヘリや民間航空会社の機材にも燃料供給を行っています。

その他大手製造工場や、陸上貨物運送業者へ燃料や潤滑油の直納を仕事としております。海上では大型フェリーのエンジンに使用される潤滑油の供給、燃料油の供給を行っております。更に太陽光発電事業も手掛けており、売電による収益確保も行っております。

このように弊社では、陸、空、海と様々な舞台で皆様の快適な暮らしと、地域社会の産業発展を支えることが使命と感じています。

―航空機の燃料も供給しているんですね。どのようにして給油しているんですか?

鳥取県の境港の石油基地から出雲空港と鳥取空港へ専用タンクローリーで輸送し、地上タンクに荷卸しをします。地上タンクに貯蔵されたJET燃料は、専用の大型給油車両に積み込まれ、飛行機が着陸すると主翼の下に入り込み、限られた時間内にマニュアルに沿い、確実に指定された量をポンプで給油します。

給油スタッフは、各航空会社の給油ライセンスが必要であり厳しいテストを合格し職務を行っております。その他、鳥取大学医学部や出雲の県立中央病院にあるドクターヘリの燃料も供給しております。こちらは、専用タンクへの荷卸しとなります。

―幅広い領域で活躍されている企業なんですね。会社としての強みもその幅広い事業領域になりますか?

エネルギーの総合会社として、陸、海、空すべての領域をカバーしていることが強みです。サービスショップ関係では、全山陰をカバーして永瀬石油のサービスネットワークを広げて質の高いサービスを提供できるところかなと思います。

特に、車はメンテナンスが非常に大事でして、それに対応できるように、永瀬石油の社員の多くは自動車整備士の資格を取得しています。車に関する相談ならば永瀬石油がなんでも解決してくれる、そう言っていただけるような体制を整えています。又、産業エネルギー部門では工場に設置されている大型機械の潤滑の知識など、昭和シェル石油認定資格を取得したスタッフが、より安全で効率的に稼働できる潤滑油の提案を実施できることです。

こういった質の高いサービスや、幅広い事業領域が強みですが、それを支えるスタッフの存在こそが我が社の最大の強みだと考えています。

―人が最大の強みなんですね。スタッフに聞けば車のことはなんでも解決してくれるとのことですが、どんな時に整備の話をお客さんにするんですか?

例えばタイヤの空気圧ですね。タイヤの空気圧ってご自分で調整される方は少ないと思うのですが、ご来店時に店頭スタッフは経験則で「空気圧が少ないな」とか、雨天時に来店されるお客様のフロントウインドウのワイパーの拭き具合を確認しながら「前方の視界が悪くありませんか?」、そういったところの声掛けから始まります。

又、不具合な箇所を探すだけでなく新商品の優位性であったり、運転がより楽になったり、楽しくなる提案も致します。サービスショップの中には給油所と併設した整備工場を抱えている店舗がございまして、その場で車検整備や緊急整備などにも対応できるようになっています。

―こちらからお願いしなくても異変に気付いて提案してもらえるんですね。そういった判断をするためにはスタッフが皆プロフェッショナルになる必要があると思いますが、人材育成に力をいれているんですか?

おっしゃる通りです。お客様に数あるガソリンスタンドの中でも弊社を選んでいただくためには設備を充実するだけでは足りません。

サービスを提供する人材が重要になってきます。ですから私たちは他店との差別化をするために、正しい知識、技術を身に着けたスタッフの育成に力を入れています。各種専門資格の取得には、時間や金銭面などの支援もしています。

自動車整備士の資格はほぼ全員の社員に取得を奨励しています。他にも車体のコーティングにも資格が必要ですので、そういった資格の取得も支援し、お客様に満足していただけるプロのサービスを提供できようにしております。

―強みに関してお聞きしましたが、課題はありますか?

世間で言われていますように石油の需要は10年位前にピークが来て毎年1~5%ずつですが減少しています。あと50年先では2010年時の石油需要の70%まで減少するだろうと予測されており、急速なEVシフトが進みます。

石油業界は後退のイメージが強いのか、以前より石油関係、自動車関係の仕事を志望する方が少なくなってきているのが事実としてあります。

―そういった課題に対して取り組んでいる対応策はありますか?

「石油需要が減少する」ことについては、既にわかっていることです。しかし、自動車がハイブリッド化やEV化が進んだとしても、それに必要とされるサービスの提供はすべてゼロになる訳ではありませんし、燃料の供給だけが我々の仕事ではありません。

カーオアシスとしてより安全に、快適に、経済的にカーライフを楽しんでいただくことが我々の使命です。

よって、例えば新時代の衝突軽減ブレーキ装着自動車の特殊整備技術や、タイヤ、EV専用機械オイルなど、車両維持のために必要な技術や施設は積極的に取り入れていくスタンスです。

―お話を聞くと、大きな会社ですし、働く環境も整っているのに、イメージだけで判断されてしまって人が来ないのは勿体無いですよね。採用に力を入れているとお伺いしましたが、希望する人材はどんな方ですか?

サービスステーションでは決められたマニュアルはもちろんありますが、やはりお客様のために自分で考え、発言であったり行動に移すことができる方ですかね。今いる従業員にも同じように、自主性を持ち、顧客第一主義で行動を起こせるよう人材育成をしています。

固定概念にとらわれず、チャレンジ精神が旺盛な方はぜひお待ちしております。決して楽な仕事ではないですが楽しい職場と仲間で一緒に働きましょう。

―採用者が入社後にすることはどんなことですか?

OJTが基本です。導入研修後に現場で先輩社員と一緒に仕事をしながら各サービスを覚えてもらい、その後自分で業務に取り組んでもらいます。もちろん先輩社員がしっかりとチェック、フォローをするので安心して業務を学んでいける体制です。

―資格が必要な仕事だと思いますが、入社後に資格を取得するのでも問題ないですか?

自動車運転免許の他に、サービスショップで働くためには危険物取扱者という国家資格が必須です。危険物取扱者資格は入社後に取得されても問題ないです。

年に3回試験がありますが、試験前に本社で特別試験前講座を開いたりしていますので、皆さん大体1年以内に取得されています。この資格を持っていなくても給油サービスは可能なのですが、一人でお店に立つことができないのと、当然のことですが、危険物を扱うプロとして最低限の知識として資格は必要です。

資格取得への支援は充実しているので、永瀬石油に行けば何とかなると思っていただきたいです。私も自動車に携わる仕事をしたくて永瀬石油に入社しましたが、入社後2級整備士や潤滑油に関する資格取得し業務に役に立ちました。

 

―最後に、今後のビジョンはどのように考えておられますか?

石油の需要が減っていく中で、お客様へのサービスのクオリティを更に磨くこと、また、お客様に必要とされる会社を目指し、働いているスタッフも幸せになれるように、事業を進めたいと考えています。課題解決のパートでもお話ししましたが、決して立ち止まらず前向きな発想を常に持ち続けていきます。

社会貢献の面では、最近の異常気象による災害時でも安定して燃料供給を行うことが、地域を支える永瀬石油の責任だと考えています。石油はライフラインという位置づけでもあり、供給が止まってしまう弊害は大きいです。

特に緊急防災関係の救急車などへの燃料供給はしっかりと果たすことができるようにしたいです。ドクターヘリへの燃料供給もそうですが、私たちの仕事は人命救助にも貢献できる仕事だとも言えます。

とにかくお客様や地域社会の役に立てるように、永瀬石油としてやれることは精一杯取り組んでいきたいと思っています。

 

一人ひとりのお客様を大切に