
道路の舗装や下水道工事、水道や空調設備の施工など様々な事業を手がける総合建設企業「株式会社ミテック」。今回は代表の三村さんにお話を伺います。
これからの30年を第二創業期として捉え、若者が活躍できる会社づくりを進めるミテックの人材育成方法について詳しく教えてもらいました。
地域へ貢献を忘れず、社員の未来も守るというミテックの熱い想いが伝わるインタビューです。
―株式会社ミテックの事業内容を教えてください。
当社は米子市を拠点に総合建設業として快適に走れる道路の舗装や、衛生環境に関わる下水道の整備といった土木工事、水回りや空調設備の施工など、地域の方々が安心して暮らすために必要不可欠な仕事をしています。
―建設業の中でも幅広い事業を手掛けられているんですね。会社の成り立ちを教えてください。
当社は1988年に米子市で建設コンサルタント業を営む株式会社美保テクノスを主体とする美保グループの子会社、有限会社美建工業として設立されました。その頃から土木工事を行っています。
そこからグループ再編に伴い、同じ子会社で舗装を手掛けていた株式会社環テック、水道・空調設備の設計施工を行っていた宏和水道工業株式会社を吸収合併し、現在の体制になったんです。
つまりミテックは3社の力を集結した会社と言えます。私は元々親会社の美保テクノスに勤めていたんですが、役員として出向し、そこから3代目の社長に就任しました。
―合併とともに事業領域の拡大・成長を続けてきたんですね。ミテックの強みを教えてください。
当社の強みは舗装工事・下水道工事に関して、自治体から相談を受けるほどの豊富な実績と知識を持っていることです。また、高い技術と技能を持ち合わせた社員がいることも強みと言えます。
―高い技術と技能とはどのようなものですか?
技術とは機械や道具を上手に扱う知識や経験のことで、技能は職人としての腕前です。
昨今は性能の高い機械や道具が増えており、それを扱う技術があればどんな方でもある程度のクオリティを保てるようになりました。その反面、誰もが認めるような質の高い施工を行う職人が減ってきていると感じます。
新しい技術を常に学び、その上で職人としての腕前を発揮する、技術、技能の両方を持った人になってほしいと社員には日頃から伝えており、みんなその期待に応えてくれています。
―技術・技能はどのように高めるんですか?
資格取得が技術・技能の両方を高める近道です。建設業には数十種類の資格があり、資格なしでできる作業はスコップで穴を掘る程度しかありません。小さい機械を動かすのも、草刈りを行うのも資格が必要なんです。
社員には様々な資格の中から一つでもいいので必ず取得するように指示しています。資格取得の受験費用や勉強するために通う講習の費用は全額会社が負担しています。
建設会社は資格保有者がいなければ何もできないので、皆さんの資格取得を応援することは会社を発展させる中で当たり前のことです。
資格を取得すれば技術・技能が上がり、もちろん給料も増えますが、それに加えて社員の気持ちを前向きにするきっかけとしても役立っています。
―それはどういうことですか?
資格を取るために学び、合格することは社員に達成感と成功体験を与えてくれます。資格を取得することで自分自身のできることが増え、会社の評価も上がると自信が生まれて前向きになるんです。
資格は高校を卒業したばかりの18歳でも取れるものから、実務経験数年経過しないと受けられないものもありますが、まずは自分が取得できるレベルに合わせて資格を取得してもらいます。
―会社としての課題を教えてください。
若い方に選ばれる、魅力的だと感じてもらえる会社づくりが課題です。私の考える魅力的な会社とは雰囲気が良く働いて楽しいと思える会社です。
そのためには上司は感情に任せて怒るのでは無く、論理的にその人の足りない部分を指摘し、成長を促せる環境を整えてあげることが必要だと思います。
仕事への興味を持ち、楽しいと感じてもらうためのフォローと、努力を正当に評価する環境の整備は、社長として私が行わなくてはいけません。
―若者が魅力的だと感じる会社づくりのために取り組んでいることを教えてください。
まず、社内に早く溶け込んでもらえるようにメンター制度を導入しました。これは若手社員一人ひとりと先輩社員がペアになることで、仕事の疑問や悩みなどを相談しやすくする制度です。
また、メンタルケアの一貫として月に数回外部講師を招き、職場の人には言いにくい悩みの相談にも対応しています。講師との面談は1人1時間程度ですが、社員からの反響は良いです。
こうしたメンター制度や外部講師への相談内容は匿名で私の耳にも入るようにしているので、意見を元に、より良い職場環境を作れるように努めています。
最近では、当社の知名度を上げるために高校生インターンシップの受け入れも始めました。
3日間の日程で朝礼から参加してもらい、その後は現場作業の見学や、安全面を考慮した上で実際の機械に乗ってもらったり、私たちの仕事がどう役立っているのかを説明しています。
―研修制度なども用意していますか?
新入社員は当社独自の研修制度に加え、自衛隊に体験入隊をしてもらいます。そこで人とのコミュニケーションや規律の大切さを学んでもらうんです。
研修後はベテラン社員と一緒に働くペア就労制度を導入しています。ベテラン社員が責任を持ち、知識とノウハウを教えるので、若い人はのびのびと学ぶことができる環境です。未経験の方でもしっかり成長できるので安心してください。
また、ジョブローテーション制度も導入しているので、入社後は様々な部署を経験できます。その中で自分の得意分野ややりたい仕事が見つけてもらい、希望通りの配置を行うようにしています。
―先ほどの資格取得支援も合わせて手厚いフォロー体制を敷いているんですね。若手は将来何を目標に働けばいいですか?
現場代理人、主任技術者と呼ばれる立場を目指してもらいます。この2つは総称して現場監督と呼ばれますが、それぞれ役割が違います。
現場代理人は社長の代わりに現場に出て、安全な施工を管理する責任者です。これは資格がいらないので入社後すぐにできますが、当社の場合はでもペア就労制度でしっかりと業務を覚えた後にやってもらいます。
主任技術者は規格・寸法を守り、高い品質・仕上がりを提供するために全体の指示を出す技術上の管理者を指します。
これは指定の学科を修了し、一定の実務経験期間がなければ資格を取得できないので、まずはペア就労制度から独り立ちし、現場代理人の仕事をしっかりとできるようになった後に主任技術者を目指してもらいます。
―今後の未来像やビジョンはありますか?
ミテックは創業33年を迎えました。普通の会社ならば成熟期が終わり衰退傾向にある時期ですが、当社では次の30年を第二創業期と捉え、さらなる成長を求めていきます。
そのために「道・水・未来を創る」という当社独自のテーマを掲げました。「道」は道理を持つ、道路を作るという意味。「水」は生活を支える水道工事、水害から守るインフラ施工といった当社が責任を持って取り組むべき仕事を表しています。
「未来を創る」には「地域社会の発展に貢献していく、会社と社員の安心・安全」を将来にわたって守っていくという決意を込めました。
―決意を新たに、今後も活躍する企業であり続けるんですね。
当社は都会のように人の入れ替わりが激しかったり、地域との結びつきが弱い企業ではありません。常に社員や地域に支えてもらいながら発展してきました。
その恩返しの意味も込めて、社員が自分の子供達をミテックに入社させたい、地域の方からミテックはいい会社だよねと言われるような会社を目指さなくてはいけません。
これからも高い目標を持ってミテックは社員・地域とともに成長を続けていきます。ぜひ多くの方が当社に興味をもち、仲間になってくれたら嬉しいです。