尾田さんは地域・教育魅力化プラットフォームの事務局長を勤められています。新たな価値観を生み出すというこの仕事に、とてもやりがいを感じられているそうです。島根県にいながら日本の未来を変えていく、この仕事の魅力を聞いていきます。
―仕事内容を教えてください。
地域・教育魅力化プラットフォームの事務局長を勤めています。団体全体の戦略・資金獲得・採用など、組織全体の運営がメインの業務です。それ以外に都市部中学生が地域の高校に進学する選択肢を創る「地域みらい留学」の責任者も兼務しています。
実はこの財団は設立から3年間、日本財団から3億円の支援を受けて活動していました。しかし2020年からは助成金の支援が終わり、自主財源で運営していかなければならないんです。そのために今後の事業資金をどのように獲得していくのか、全体の戦略をどのように企て、実行していくのかは重要なミッションになっています。
―財団の未来の戦略も担う重要なポジションなんですね。尾田さんはなぜこの財団に入ったんですか?
元々東京で働いていたんですが、ずっと地元の島根で挑戦する機会を伺っていました。そこでこの財団に出会い、島根から日本を変えるという点に惹かれて入社しました。給料は半分にはなりましたが(笑)自分がやりたい事で、かつ島根にも貢献できる仕事なのでとても充実しています。
―お金よりも実現したい想いがあるんですね。実際に働いてみてどうですか?
すごく大変ですが、楽しいですしやりがいも大きいです。教育業界にお金が循環するという価値観が日本にはまだ大きくないので、どのように収入を得て組織運営をおこなっていくかは大変です。また、組織のキャパや能力を超えた事業やミッションに日々チャレンジしています。組織の力をどのように最大限発揮し、チャレンジしていくのか。失敗するリスクは大きくありながらもチャレンジできる仕事は本当にやりがいがあります。
―リスクがある代わりに、これからどうしていくかを自分たちで決めていけるのは魅力ですね。収益化のためにはどういった取り組みを始めるんですか?
意思ある若者の育成が目的の財団ですが、この仕事は地域の持続可能性、すなわち関係人口や将来的な定住人口を増やすことで地域の課題を解決していく仕事とも捉えることができます。ですので自治体の教育委員会だけでなく様々な部局との連携を考えています。地域みらい留学を地域の持続可能性の1つとして捉えてもらうことで私たちの活動に共感してもらい、様々な自治体を巻き込んでいくモデルを目指しています。
それ以外にも我々の地域みらい留学を中心とした活動を応援する寄付も募っています。寄付を募ることで共感頂き、お金を寄付してもらうだけでなく、その方の力や知恵・ネットワークなども仲間にし、協力してもらいながら事業運営を行っています。小さな組織だからこそ組織を開き様々な方に関わってもらうことで組織も持続可能になりますし、各事業も好影響を発揮することができます。
―様々な可能性を模索されているんですね。この仕事のやりがい魅力を教えてください。
この仕事は島根県・日本の意思ある若者を育成することで、日本の未来を変えていくという大きなミッションに挑戦しているので、やりがいがとてもあります。都市部から地域へ新たな人の流れを作るという私たちの事業に興味を持ち、全国各地から参画を希望される自治体も最近は増えて来ました。まだ道半ばではありますが、日本の未来が良い方向へ変わっていっているという実感があります。大きな流れを自分たちの手で作っていく、そんなここでしか経験できない仕事ができるのが魅力ですね。