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【社会人対談】就職して見えてきた新しい価値観。 私たちが「はたらく」について思うこと。

学生にとって将来の働いている姿はイメージしにくいのではないでしょうか。 そこで今回、山陰の企業に就職した先輩達にMACHI TERASU編集部が学生50人から集めた「はたらく」に対する悩みや質問に答えてもらいました。実際に経験した先輩の言葉はきっとあなたにも響くはずです。

左:南木 かおり(なんき かおり)
島根県立島根中央高等学校出身。株式会社あしたの為のDesignデザイナー。入社2年目(取材当時)
右:出雲 寛人(いずも ひろと)
米子松蔭高等学校出身。島根大学 総合理工学部 数理・情報システム学科出身。岡田電工株式会社営業部営業課営業係。入社1年目(取材当時)

 

 

―現在の仕事内容を教えてください。

出雲:電気施工の会社で営業をやっています。照明などの電気系統が故障した場合、現場に赴いてお客様の声を聴きながら必要な修理や製品を見定めます。そして必要な費用の書類を作成したり、修理担当に渡す説明資料を作ったりしています。まだ1年目なので、先輩に一連の仕事内容をチェックしてもらいながら仕事を進めています。

南木:私はチラシやポスターなどを制作するデザイン会社で、デザインに落とし込む前の文字原稿を作成したり、見積書・納品書の作成など事務作業をしています。幅広い業務を経験させてもらっているので、どういった肩書きを名乗るべきかいつも迷います(笑)

―就職先として今の業界や会社を選んだ理由を教えてください。

出雲:僕の場合、今付き合っているパートナーと結婚し、将来暖かい家庭を築きたいという思いがあったので、地元で就職先を探しました。この会社は「社員とその家族を一番大切にする」という理念を掲げていて、そこにすごい惹かれましたね。実際に社員さんと話していても雰囲気が良く、ここで頑張ろうって決めました。

南木:私は、就職以前に進学か就職で迷っていたんです。最終的には就職することに決めましたが、その時は特に希望する職業などはありませんでした。さらに、高卒の場合は学校に届く求人票を元に就職先を探すんですが、その中には魅力的に感じる募集枠はありませんでした。

そんな時、たまたま近所の方に今のデザイン会社を紹介していただいたんです。当時は「デザインってなんだろう?」って感じでしたが、自分の高校時代を思い返してみると、校内新聞を作る手伝いや学園祭の準備の時など、完成に向かって周りと団結しながら物事を進めていくことが楽しかったなって。

お話を聞くとデザイン会社も同じように、協力しながら1つのモノを作り上げていくのを知って、今の会社に決めました。

出雲:求人票以外の選択肢を探すのは大変じゃなかった?

南木:今思うと大変でした。実は、学校に届く求人票以外の仕事を探して、夏休みにハローワークへ行ったんです。その時、周りの友達は会社に送る履歴書を必死に書いていたり、面接練習をしているのに自分は何も進んでいなかったので内心すごく焦ってました。

でも、相談したハローワークの職員の方が「焦らなくてもいいからね。卒業までに自分の納得できる仕事が決まっていれば大丈夫だよ」と言ってくださって、将来を決める大切なことなのでもうちょっと時間をかけて考えてみようと思えました。

出雲:僕は、教師になりたいと思って大学に入ったんだけど、親や親戚に勧められて教師を目指していただけなのかも?と次第に先生になることへの疑問を感じるようになって、本当に自分がやりたいことはなんだろう?先生になって自分が楽しく働けるのか?そんな悩みを抱えながら、モヤモヤした気持ちで学生生活を送っていました。

悩んだ末に、人に求められることより自分の意思で選択した方がいいと思って、民間企業を選びました。この選択が正しかったのかはわからないけど、自分の考えて選んだ先にいるから、何をするのにも納得して行動できています。やっぱり自分で考え抜くっていうのは大事かもね。

―入社前と後のギャップはありましたか?

南木:思っていたよりも会社の事業の幅が広くてびっくりしました。デザインの仕事以外に、玉造温泉で土産物のお店を出していたり、夏に松江城でかき氷を売ったり (笑)。

どうしても就職活動だけで企業の全てを知ることはできないから、少なくともいろんな企業を見学することで少しでもギャップを減らしておくのは大切かも。大学のオープンキャンパスみたいに気楽に企業へ訪問できたらいいですよね。

―職場の仕事内容と人間関係、どっちが大事ですか?

出雲:僕は人間関係かな。例え、仕事内容がつまらなくても仲間がよければ、仕事も面白くなっていくんじゃないかと思います。

南木:私も同じです。仕事内容は選べるけど、人は選べませんから。究極、この人たちと一緒に仕事がしたいという想いさえあれば、それが一番ですよね。

―周りの友達と比べて自分の進路について思うことはありますか?

 出雲:僕は比べることはそんなになかったかな。南木さんは?

南木:正直、うらやましく感じることはありますね。大学進学してる友達が多いので、みんな旅行したり遊んだりしてるのに、何で自分は仕事ばかりしてるんだろうとか。

でも、同世代で同じようにデザイナーの仕事をしてる人は少ないと思うので、早くから挑戦させてもらえる今の立場を楽しんでいます。

―やりがいって必要ですか?

出雲:僕はもっと魅力的で面白い人間になるという目標があるので、学ぶことがたくさんある今の環境にやりがいを感じています。周りので仕事を頑張っている人の話を聞くと仕事に対するやりがいって本当に様々なんだよね。

だからそれぞれの人が仕事の中で、自分なりのやりがいを見出すことが必要なんじゃないかな。それが見つかれば仕事に対するモチベーションも高くなるし、楽しく働けると思います。

南木:私は最初からやりがいを意識する必要はないと思います。仕事をしていく中で「今日はやってやった!」という日々の積み重ねが、次第にやりがいに繋がっていくんだと思います。だから漠然としたやりがいに悩むよりも、目の前にある仕事を全力でやり切ることが大切なのかもしれないてですね。

―最後に読んでいる学生に一言!

 南木:やりたいことが見つからず悩むこともあると思います。私もそうでした。そんな時は、まず自分は何に興味があるのかをしっかりと認識すれば自ずと方向性が見えてくると思います。

興味のタネは誰しもが持っていると思うので、興味がありそうなことがあれば、とりあえず体験してみてください。自ずと自分は何がしたいのか、何に向いているのかがわかってくるはずです。

出雲:まずは、様々な業種の会社を見たり、たくさんの人に出会って職業の視野を広げたりすることが大切です。目の前にあることに全力で取り組み、たくさんの出会いの中で「はたらく」を楽しみましょう!

 

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