社会福祉法人 誠和会

島根県 浜田市

山陰に生まれた子供たちの笑顔を守り続けたい

理事長 森脇 良孝さん

浜田市内で4ヶ所の認定こども園、1ヶ所の保育園を運営する社会福祉法人誠和会は島根県の保育の発展に大きく貢献してきました。

理事長の森脇さんは島根県内で初めて国家資格を取得した男性保育士で、認定こども園を県内で初めて設立したのも誠和会です。

今回のインタビューでは理事長の森脇さんに誠和会の強みやこれからの展望について伺いました。

子どもの笑顔が好き、人の育成に関わりたい、皆さんのやりたいと願う教育を誠和会は全力で応援します。


―誠和会の事業内容を教えてください

誠和会は浜田市内で0歳〜18歳までの子供を対象としたサービスを展開しています。中心の事業は0〜6歳児を預かる認定こども園と保育園の運営です。

他にも6歳以下の在宅児と、その保護者が利用する地域子育て支援拠点事業「なないろクラブ」や小学生の子供が通う放課後児童クラブ・学童保育の運営、行政と協力して中高生向け保育体験プログラムも開催しています。

―認定こども園とはなんですか?

認定こども園とは幼稚園と保育園、両方の良さを併せ持ち、教育・保育を一体的におこなう施設です。0歳から就学前の年齢を対象に、最大でおよそ12時間、子供を預かります。

対象年齢が幅広く、預かり時間が長い、また働き方によって幼稚園と保育園の間の移動が可能という理由などから共働き世帯を中心に人気を集めている施設です。現在日本全国に8000以上の認定こども園がありますが、島根県で初めての認定こども園は私ども誠和会が設立しました。

―誠和会の歴史を教えてください。

1954年に水産加工会社を経営していた私の祖父が保育園を設立したところから誠和会の歴史は始まります。

この頃は戦後間もない時期であり、経済復興に向けて忙しく働く保護者の子供を預かることで、地域の発展に貢献したいという想いで保育園を設立したと聞いています。

―森脇さんは3代目になるんですね。これまでの経歴を教えてください。

長崎大学の水産学部に進学し、大学院にも通っていたのですが、前理事長の父から誠和会の規模が大きくなり手が回らないので戻ってきて欲しいと言われて入社しました。

しかし、大学で水産関係のことしか学んでいない私にとって、人を教育する仕事はとても難しかったんです。そこで2年間の時間をもらい、長崎大学の教育学部幼稚園課程に聴講生として通い、教育について学びました。

昔は女性しか受験資格がなかった保育士の国家資格ですが、ちょうど私の大学卒業した昭和52年に男性にも受験資格が開放されたんです。そこで資格を取得するために必要だった音楽を1年間学び、保育士の国家資格に挑戦し、一発合格を果たしました。

そうして島根県内の保育園で最初に国家資格を取得した男性保育士となりました。

―最初の男性保育士、最初の認定保育園など、島根県の保育分野の発展に深く関わってきたんですね。誠和会は男性保育士の方が多く在籍されていますか?

131名の職員がいますが、その中で男性保育士は10人在籍しています。まだまだ人数が少ないので、今後は男性保育士をもっと採用していきたいです。

私も現場にいた頃は、男性保育士として、苦労や肩身の狭い思いをしたことがありました。その経験を元に、男性保育士でも働きやすいような職場づくりに力を入れています。

―誠和会の教育方針を教えてください。

誠和会の教育方針には2つの特徴があります。1つ目は子供たちに様々な体験をしてもらうことです。

まず芸術面の体験活動として、音楽・演技・美術に力を入れており、マーチングや和太鼓の演奏、積み木、絵画などの創作活動の体験を行い、運動面の体験活動では、水泳体験、サッカー等の遊び、その他の活動として自然公園の散策、芋ほり体験、調理体験など、幅広い体験を行なっています。

2つ目の特徴は地域への愛情を育んでもらうために、地域活動に積極的に参加していることです。市内各地域のお祭りや、浜田市で行われる様々なイベントの際に、子供たちが力いっぱい演技を披露しています。

近いところでは浜田駅の創業100周年の記念式典、また過去には上皇様・上皇后様が浜田市に来られた時も園児のいきいきとした演技を披露しました。

―今後の課題を教えてください。

浜田市は少子高齢化が進み、人口が減ってきているので、子供の取り合いが近い将来必ず起きると思っています。

市内には27の認定こども園・保育園及び4つの幼稚園がありますが、その全てが今後も事業を継続できるかはわかりません。そうした中で誠和会が継続していくためには、保護者に選ばれ、入園してくれる子供たちを増やさなくてはいけません。

―課題に対してどんな取り組みを行っていますか?

長期間子供に寄り添うことで、子供たち、保護者の方にとって身近で信頼される存在を目指しています。

私たちは認定こども園・保育園に通う0歳〜就学前の子供やその保護者だけでなく、自宅で子育てされている方との接点を創出する子育て支援拠点事業や、小学生になった後も関係性を継続していくために放課後児童クラブ・学童保育も展開しています。

また、保育士を増やすために行政及び各学校と協調して中高生に向けた保育体験プログラムの取り組みも始めました。

保育の楽しさ、子供の可愛さを知ってもらうことで一人でも保育士を目指す人材が増えれば嬉しいです。

―人材の確保についても取り組まれているんですね。

人材の確保だけでなく育成にも力を入れています。職場を活性化し、地域の子供たち、保護者の方々から評価される事業を展開していくためには人の力が不可欠です。

そこで人材育成では著名講師による研修会を充実させています。演技の体験では宝塚歌劇団のOGの方から指導をいただくなどどれも本格的な内容です。

保育原理を学ぶ機会だけでなく、子供たちが受けている体験活動も一緒に受けてもらうことで、様々な経験・スキルを身につけて欲しいと願っています。

―ビジョンを教えてください。

福祉事業を展開する法人の中には認定こども園や保育園だけでなく、高齢者施設向け施設の運営に取り組むところもありますが、当法人は児童に特化した事業のみ実施しています。

それは子供を愛しみ、子供たちの将来を支える法人として、認定こども園や保育園に通う子供たちだけに限らず、在宅で子育てされている子供たちや小学生まで、全ての子供たちにとって良い環境を作り育んでいくことを目指し続けているからです。

―求める人材像を教えてください。

私たちは誠和会でしかできない教育・保育を目指し、子供たちが成長できる豊かな環境を作ってきました。そうした誠和会の理念や教育体制に共感してくれる方を求めています。

誠和会に少しでも興味を持っていただけたならば、まずは一度私たちが運営する施設を訪れてみてください。

保育士の仕事は県内でもたくさんありますが、仕事内容や教育方針はそれぞれの園によって全く違います。だからこそ求人票などの情報だけで判断せず、一度見学に行くことをお勧めいたします。

当園で活躍している職員の多くは、保育実習あるいは体験学習や見学に訪れた際に子供と触れ合い、その笑顔に心を動かされて入社を決めています。

あなたの考える「教育・保育のカタチ」を実現する場所として、誠和会を選んでもらえたら嬉しいです。

 

※撮影時のみマスクを外して撮影を実施しています。一部写真は新型コロナウィルス流行前に撮影されたものです。

子供たちの成長する姿を通して、自分も成長できる素敵な仕事