今回のインタビューは「林業が楽しくて仕方ない!」と語る入社9年目(取材当時)の荒金さん。林業の魅力、やりがいを多くの方に知ってもらうために、独自のシステムまで開発したんだとか。日南町の森を守る担い手として描いているビジョンも教えてもらいました。
―荒金さんの仕事内容を教えてください。
私は中途入社の9年目です。現在は木を切り出す現場で、3人のメンバーを束ねる班長をしています。
―なぜグリーンシャインに入社したんですか?
入社前はいくつかの職業を経験した後、実家のある日南町で農業をしていました。雪の時期は農業ができないので、休業中の数ヶ月、社長からのお誘いでグリーンシャインのアルバイトをさせてもらっていたんです。冬の間には植林の仕事を、春先からは山に入り伐採の仕事を手伝っていました。そのアルバイトがとても楽しく、やりがいを感じたので、そのまま入社させていただくことになりました。
―林業にどんな面白さや、やりがいを感じたんですか?
仕事の結果がダイレクトに見えるところですね。伐採した木の本数はもちろん、毎日仕事終わりに積み上がった膨大な量の木材を見た時にやりがいを感じます。また、林業では木材に適した良い木を育てるために、密集した木を間引く間伐(かんばつ)という作業を行うんですが、その作業を終えた綺麗な山を見ると達成感を感じます。
―自分の目で直接実績を確認できるのは、やりがいがありますね。働く中で印象に残っているエピソードを教えてください。
一番印象に残っているのは、作業をした山を所有者の方に褒めてもらえたことです。作業していた山の所有者の方が元々林業に携わられていた方で、その方が私の作業した後を見て「山を綺麗にしてくれてありがとう」って言ってくれたんです。何十年も先輩で、経験豊富な方からそのような言葉をいただけて、とても嬉しかったですね。
―技術が必要な仕事だからこそ、経験者に認められるのは嬉しいですね。
元々自然の中で働くのが好きなこともあり、入社してから辛かったことが全くないくらい、毎日楽しくてしょうがないです。最近では、もっとやりがいを感じられるようにするために、生産量などが一目でわかるシステムを自分たちで作りました。
―それはどんなシステムなんですか?
社員一人ひとりが伐採した量や出荷した量と、市場で販売された価格を照らし合わせることで、毎日の出荷量の変化や生産性、経費などが可視化できるシステムです。これは私と、もう一人の社員が自発的に制作に取り掛かり、5年くらいの時間をかけて完成しました。
―仕事の見える化を行ったんですね。
システム構築前は社員一人ひとりの作業量や、その作業にかかる経費がどれくらいなのかがわからなかったんです。自分の仕事がどれだけ会社に貢献しているかを知れるようになれば、もっと仕事が楽しくなりますよね。このシステムのおかげで、林業に興味を持った若者に説明するときも、具体的な話ができて助かっています。
―感覚の数値より、明確な根拠を持ってどれだけ貢献できているのかがわかった方が若い方も働くイメージがしやすいですよね。
そうですね。日南町の森林は莫大ですからもっと多くの若い方に林業を志してもらいたいです。担い手を増やすという意味では、グリーンシャインに入社してずっと働いてもらうのもいいですが、独立するという方法もありだと思います。生産性がわかるシステムがあれば独立前から自分一人の仕事量がわかるので、独立後の参考になります。このように、分かりにくかった林業を少しずつ可視化して、日南町の森林の守り手を増やしていきたいです。
―同業者みんなで森を守って行くのが理想なんですね。その未来に向けて荒金さんはどんな思いで日々働いていますか?
勤め人ではありますが、全てのことを自分ごととして考えるようにしています。私たちの仕事は山の所有者あっての仕事です。だから木を沢山切るだけではなく、作業後の見た目が綺麗だったり、いい木を残すようにして山主の財産を丁寧に扱い、最終的に喜んでもらえるような美しい仕事を目指しています。