まき網船団の漁の1日
夜の日本海、多くの人々が寝静まるころ、魚たちとの勝負にかける男達がいます。
日没の時間にあわせて、冬場だと17時くらい、夏場だと19時くらいに船に乗り、まき網漁に出漁します。遠洋漁業ではありません。一晩の漁が終われば自分の家に帰ります。船団の乗組員と聞くと何ヶ月も海の上で生活する遠洋漁業を連想する方が多いと思いますが、募集しているまき網船団はこのような形態でなく、夕方に出漁し、朝には帰港するパターンです。
まき網漁とはその名の通り、海に網を巻き込むように入れ魚を獲る漁法です。1船団は通常6隻で構成され、それぞれの船には役割分担があります。これら、6隻の船の船長のうち、1人が漁労長となり全体の動きを把握、指示を出します。西ノ島町の浦郷漁協に所属するまき網船団は全部で4船団あります。
その日の漁場は、天気図、魚の相場、人工衛星からおくられる海面温度の情報などさまざまなデータを参考にに漁労長が決定します。
まず、漁業は魚を探すことから始まります。船に設置された最新鋭の魚群探知機などの機材を使い、広範囲に魚群を探すのです。しかし、自然を相手にする仕事ですから、「魚がいない」「いたとしても現在の漁場から非常に遠い」といったこともあります。そんなときには早めに漁を切り上げます。
魚群を見つけた場合は、魚をおびき寄せるために集魚灯を点灯します。比較的水面に近いところにいるイワシなどを狙うときには船上で、サバなどの中層を泳ぐ魚を狙うときには集魚灯を水深100m前後まで沈めます。魚群探知機などの画面に映し出される魚群の密度や泳層などの情報から、経験豊かな漁師達は魚の姿を見ることなしにその魚種を特定できるのです。
灯船を中心に、その周囲をぐるりと取り囲むように網船が網をおろしていきます。その直径は約100m。囲い込みが終わると、網の底のワイヤーを絞ると魚は網でできた袋の中に追い詰められます。
この大量の魚が入った網を上げるのは主に機械の仕事。ネットローラー等を操作して、網を巻き上げます。身体を使うのは網をさばいて、甲板上にまとめていく作業くらいでしょうか。
網が小さくなってくると運搬船が網に近づき、大きなタモを使って、魚を船倉に積み込みます。水揚げは多い日で300トンくらい。灯船、網船は先に帰り、運搬船は水揚げのため鳥取県の境港までひた走ります。
拘束時間は10〜12時間ですが実働は5〜6時間、出漁は年間200日前後です。時化の日には無理をしないので、結果的には休日が多くなるのです。特に冬場の日本海は時化やすいので休みが多くなる傾向があります。
求人募集要項 | |
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企業名・団体名 | 西ノ島町まき網船団 |
雇用形態 | 正社員 |
給与 | 固定給制 月給21万円以上+諸手当(出漁・食料・住宅手当等) ※昨年度実績25万~33万円 |
福利厚生 | 賞与、各種社会保険完備。退職金制度あり。 |
勤務地 | 島根県隠岐郡西ノ島町 |
勤務時間 | 日没から夜明けまで (拘束時間は10~12時間、実働時間は5~6時間程度) |
休日・休暇 | 毎週土曜日、ゴールデンウィーク、お盆、年末年始、慶弔、荒天の日(年間出漁日数200日前後) |
住宅 | 住宅については町営住宅、漁民住宅で対応します。 |
応募資格・選考基準 | 学歴・経験不問 18歳~概ね40歳まで(妻帯者を優先します) |