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求人票を紐解く6つのポイント

求人票は、就職する企業を選ぶための情報が詳しく記載されている大切な書類です。でも、初めて就職する学生には聞いたことがない言葉がたくさん…そこで、用語の解説や企業選びの際に重要なポイントなど、求人票の見方についてわかりやすく解説します。待遇や条件面に関する事項が正しく読み取れないと、自分の希望とは異なる条件の求人に応募してしまうので、しっかりと覚えましょう!

今回はとくに業界研究や就職情報の少ない高校生向けの求人票の見方を解説します。重要なポイントは高校生だけでなく、大学生や専門学生も一緒なので、高校生以外の方もぜひ参考にしてください!

そもそも求人票ってナニ?
求人票は、企業がハローワーク(公共職業安定所)に提出する大切な書類です。この書類なしでは、学校を通して行う採用活動は実施できません。ただし、求人票がない企業にも就職は可能です。もし、求人票以外に興味のある企業がある場合は、先生から企業に直接問い合わせてもらいましょう。

求人票を紐解く6つのポイント

上の図が実際の求人票です。文字ばかり、項目も多い、どこを見ればいいんだろう?そんなふうに感じると思います。確かに全項目を読み、理解するのはとても難しく時間もかかります。

高校生活が忙しいみなさんにとって、この求人票を何社も読むのは大変と感じるかもしれません。そこで今回は求人票の中でも特に重要な箇所を6つのポイントに絞って紹介します。

重要なポイントを理解することで、求人票はみなさんの心強い味方になるはずです。

目次
POINT1「会社の情報をできるだけ集めよう」
POINT2「働きやすさや、安心して働ける環境を選ぼう!」
POINT3「給与のカラクリを身につけよう!」
POINT4「大事なプライベートのためにも、休日はしっかり取ろう!」
POINT5「気になる企業に会いに行こう!」
POINT6「これまでの実績を確認しよう!」

 

POINT1「会社の情報をできるだけ集めよう!」

学生にとって「何をしている会社なのか」を見極めることは難しいかもしれません。仕事内容は、入社後に最もギャップを感じやすい項目なので、事前に自分のイメージと実際の仕事内容との差をできるだけ埋めておく必要があります。そのためにも、求人票に書いてある事業内容の確認はもちろんのこと、企業HPをしっかり確認しましょう。

採用ページを設けていたり、社員インタビューや事業内容の解説など、会社の雰囲気が伝わりやすいように工夫している企業もあります。また、ネット上で会社名を検索することも効果的です。取材記事になっていたり、ニュースに取り上げられている場合があります。直近の会社の動向を見るには大切な作業となります。

POINT2「働きやすさや、安心して働ける環境を選ぼう!」

みなさんは福利厚生と聞いてイメージが湧きますか?福利厚生とは、給料とは別に企業が支給する報酬のことです。企業によって様々な福利厚生制度が設けられていますが、大きく法定福利厚生と法定外福利厚生の二つに分けられます。

最近は福利厚生がどれだけ充実しているかということを、企業選びの判断基準にしている求職者も増えています。種類や加入状況だけでなく、取得実績も忘れずに確認しましょう。

◆法定福利厚生
企業が費用を負担して従業員に提供しなければならないと法律で定められているものなの で、全ての企業が加入しています。法定福利厚生は下記の通りです。

【厚生年金保険】
老後の生活資金として定期的に受け取れる、いわゆる年金です。また、事故や病気で障害が残ったり、死亡した場合に本人や遺族に保険金が支払われます。
【健康保険】
業務外の病気やケガなどで医療機関を利用した際に、医療費を7割負担してもらえます。
【雇用保険】
失業した場合、復職するまでの生活資金となる失業給付が支給されます。期間や金額はその人によって違います。
【労災保険】
業務中や通勤中にケガや死亡してしまった際に保険金が支払われます。

◆法定外福利厚生
企業が人材の確保や勤労意欲の向上を目的として、任意に実施している福利厚生です。その 内容は、温泉の利用割引や無料の社員食堂など、一風変わったものまで多岐に渡ります。求人票には記入していないことも多いので、気になる場合は担当者に聞いてみましょう。

法定外福利厚生代表例

【住宅手当】
家賃の一部補助や、社宅を提供します。家賃は生活費の大半を占めるので、人気な福利厚生の一つです。
【退職金】
退職金をもらうために行う積立制度です。昔は一般的でしたが、最近では退職金制度を導入していない企業も増えつつあります。

POINT3「給与のカラクリを身につけよう!」

実は求人票に記載されている給与は少しややこしく、記載されている金額が実際に支払われているわけではありません。特に、額面給与と手取り給与の違いをしっかり確認しましょう。

給与額は、仕事へのモチベーションとなったり、生活に必要な費用になるので事前にしっかりとした確認が必要です。

【額面給与】
基本給+定額的に支払われる手当+固定残業代の各種手当を含んだ合計額を指します。給料明細上の記載金額で、実際に受け取る給与ではないので注意しましょう。
【手取り給与】
額面給与から国の税金(所得税)や、社会保険料(年金・保険)などを差し引いた結果、実際に会社から本人に支払われる金額のことです。額面給与額によって変動しますが、目安と して額面給与から20%ほど引かれると覚えておきましょう。

基本給以外で給与明細上に記載される各種手当の例

【固定残業代】
残業代の支払い方に関する制度です。会社が一定時間の残業を想定し、残業代を定額で支払います。残業時間・残業代が明確に決められているので、それを超えた場合には、会社は追加の残業代を支払う必要があります。
【通勤手当】
車や電車で通勤する際に交通費が支給されます。「全額」「上限あり」「ガソリン代支給」といったように、交通費に関する規定は企業によって違うので必ず確認してください。交通費の有無によって引っ越しが必要な場合もあります。

合わせて覚えておきたい給与に関する単語

【昇給】
勤続年数などに応じて賃金が上がることです。長期的に働く場合、昇給があるかどうかで生涯年収は大きく変わってきます。初任給は高かったが、昇給が無いので何年働いても給料が上がらないといったことにならないように、様々な業種や企業ごとに比べてみましょう
【賞与】
いわゆるボーナスのことです。基本給の金額×何ヶ月分の金額という計算で表記されています。支給額は企業や個人の業績により変動します。特に、営業職の場合は個人の成績によって大きく変動する場合が多いです。基本給が低くても賞与が多い企業など、企業の職種や制度によって収入とその内訳は大きく変わるので、希望する企業がどのような考えで賞与を用意しているのかを事前に確認しましょう。

POINT4「大事なプライベートのためにも、休日はしっかり取ろう!」

1週間に2日は休みがあるとイメージしている方が多いのではないでしょうか。しかし、実際はそうではなく企業によって違います。特に求人票に記載されている「完全週休2日制」と「週休2日制」を間違って認識している方も多いようです。

休日制度によっては年間休日数が30 日以上違ってくる場合もあるので、いつが休みで、どれくらい休みを確保できるのかをしっかり確認しましょう。

【完全週休2日制】(求人票表示:週休二日制 毎週)
1 週間のうち必ず2日間の休日がある制度です。ただし、この2日は土日だとは限らず、平日の可能性もあります。一般的には土曜と日曜が休日のケースが多いですが、接客業など業種によってはその限りではありません。注意点として、祝日のある週は2日の内どちらかが出社になる可能性があるので、祝日の扱いを事前に確認しましょう。

【週休2日制】(求人票表示:週休二日制 なし)
1ヵ月間に、週2日の休みがある週が1回以上ある制度です。つまり、週休2日と書いてあっても、完全週休2日制のように毎週必ず2日ずつの休日があるわけではありません。最も少ない場合だと、月5日しか休日がない事もあるので、月の休日数や年間休日数といった詳細を確認しておきましょう。

休日に関して覚えておきたいその他の単語

【有給休暇】
企業から付与される休暇のことです。入社6ヶ月経過後に10日付与されることになりますが、勤続年数によって日数は増加します(最大20日)。また、求人票に「有給休暇あり」と記載があったとしても、社内に使えない雰囲気があったり、取得する風習がないような企業も稀にあるので、担当者やOGOBに実態を確認しましょう。
【年間休日数】
企業が定める1年間の休日数のことです。毎週の定められた休暇に加え、祝日、夏季休暇、年末年始休暇など全員が休みになる日数も含まれますが、有給休暇の日数は含まれていません。

有給休暇は企業の繁忙期によっては取れないこともあります。会社の状況や業績、雰囲気 などを考え、取得する時期には配慮しましょう。

POINTO5「気になる企業に会いに行こう!」

百聞は一見にしかず!応募前に職場見学を行なっている場合は出来るだけ参加しましょう。やはり求人票の情報だけでは、実際の企業の雰囲気を知ることは難しいのが現状です。職場見学は本当に自分に合った企業なのかを確認できる数少ない機会です。

実際に職場に行き、仕事内容の確認や雰囲気を感じることができます。求人票を見て疑問に思ったことや、気になる点を担当者や社員の方にしっかりと確認しましょう。

職場見学に応募する方法はいくつかあります。先生から企業に連絡してもらうのが一般的ですが、その方法以外にぜひ活用して欲しいのが「MACHI TERASU VISIT」です。

MACHI TERASUのWEBサイト上部「VISIT」を押してもらえば積極的に企業訪問(会社見学・インターン)を行っている企業の一覧を確認できます。ここに掲載されている会社訪問はどれも就職を考えているといった理由でなく、少し興味がある、聞いてみたい質問がある。そんな気軽なスタンスでも参加可能な企業訪問情報です。

サイトからの応募以外に、先生に会社見学に行きたいことを相談し、先生から見学の申し込みをしてもらうことも可能です。受入企業も真摯に対応してくれますので、企業に会いに行ってみてください。実際に見て聞いて感じることが企業を知る上で、何よりも大切なことだと気づくはずです。

POINT6「これまでの実績を確認しよう!」

最近では働き方改革も進んでおり、これから働きやすい職場環境に変えていこうと積極的 に整備している企業もあります。実績だけに捉われず、これからどう取り組んでいくのか を担当者に聞くことも大切です。

チェックしたい取り組みの実績状況例

【労働時間・有給休暇取得実績 】
月平均の所定外労働時間(残業時間)と有給休暇の実績が、企業全体と高卒者別に記載されています。平均時間・平均取得日数を比較するのはもちろん、様々な業界と見比べてみましょう。
【育児休業取得実績】
育児休業の取得しやすさは、自身のライフプランにとって重要な項目です。特に最近では、女性だけでなく男性も育児休暇をとる傾向があるので、男女共に確認しましょう。

求人票のポイントを理解し、理想の企業を見つけよう!

ここまで求人票で特に重要な6つのポイントを紹介しました。もちろんこれだけで企業の全てがわかるわけではありません。合わせて企業のHPを見たり、会社訪問に行くことも就職活動においてとても重要です。

ですが、求人票の見方を知ったことで、自分は給料重視なのか。休みが取れることが大切なのか。自分が企業選びで大切にするポイントが見えてくるはずです。

自分の働きたいと思える会社に出会い、社会人生活を楽しく過ごしていきましょう!

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